TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「会えない木曜日」

 木曜日は一日中、気分が沈んでいた。
 携帯電話を見ても目当ての人物からの着信はなく、メールも入っていない。
 かといって今の状態で自分から連絡を取るのはどうにも許せず、ためいきと共に携帯電話を元の位置に戻した。
 同じ学院内にいるのだろうが、意識的に会おうとしなければ行動範囲が異なる俺たちが偶然に会う確率はとても低い。
 最近は何かしらでほぼ毎日のように会っていたからからか、たかが一日会わないくらいで少し淋しいような気分になっている。
 こんなのは自分らしくないとわかっていても気持ちは誤魔化せず、小さなことにいつまでも拘って素直になれないことを、少し反省し始めていた。
 このまま一生、会えなかったらどうしようと思う。そんなことはないのだと思っても、沈みかけた心は嫌なことばかりを考えてしまう。
 声も聞かず、姿も見ずに一日が過ぎていけば、もう怒りなどはどこにも残っていない。
 あるのはただ、心が重くなるような切ない気持ちだけだった。



2012.6 拍手第14段その4。
Thursday which cannot meet
今日はやけに一日が長く感じる

後悔しているのに素直になれない二人っていうのはどうでしょう?
って聞く前に、おなじみなほど書いてますね、この設定は…。