『音色のお茶会』
「大喧嘩な水曜日」
水曜日の昼休み、月森と喧嘩をした。きっかけは本当に些細なことで、そこから尾ひれがつくように広がっていった文句の言葉は、別に拘っていたわけではない昨日のことまで口に出してしまっていた。
一旦、口から出た言葉はなかったことには出来ず、状況は悪化したまま昼休みが終わってしまった。
言い合いが日常茶飯事だった頃は本当にそれが当たり前の日常だったから気にも留めなかったが、どうにも後味が悪くて仕方がない。
割り切ってしまいたいのに、頭の中から月森の声や言葉や表情が全然、離れないから授業にも集中出来ない。
謝る気など全くなく、それはたぶん月森も同じだろうとわかるから更に気分が悪く、いつだって自分が正しいのだと言わんばかりの顔と冷たくて冷静な声音を思い出せば、無性にイライラが募っていった。
やっぱり月森とは根本的に合わないのだと思い知らされ、だが徹底的に嫌いになれないから心がグラグラとしている。
好きだなんて気付く前に嫌いになっていればよかったと思ってももうすでに遅く、だが月森なら俺のことを嫌いになれるのかもしれないと考えて気分が沈んでいった。
こんなにもグルグル考えさせられるなら早く仲直りしてしまえばいいのだが、喧嘩をすること自体、少し久し振り過ぎてどう仲直りしていたのかが思い出せない。いや、そもそも、喧嘩の後で仲直りした記憶などないのかもしれない。
じゃあ、どうすればいいのかと考えながら思い出すのは月森のことで、たった一人に振り回されて頭の中をいっぱいにさせられていることが、本当に本当に腹立たしかった。
2012.6
拍手第14段その3。
Wednesday which quarreled
今日の気分は最悪だ
ここは同意を求めずとも、
やっぱりケンカはこの二人の必須アイテムですよね!
拍手第14段その3。
Wednesday which quarreled
今日の気分は最悪だ
ここは同意を求めずとも、
やっぱりケンカはこの二人の必須アイテムですよね!