『音色のお茶会』
「約束した火曜日」
火曜日の放課後、一緒に練習しようと土浦と約束をしていたが別の用事が入ってしまった。用事といっても先生に呼び出されただけなのだが、職員室に立ち寄ってから既に30分以上、経過している。
一緒に練習をするときは、授業が終わったら練習室に集まることになっているだけで明確な時間は決めておらず、練習室の予約は取ってあるから、土浦は先に練習室を使っているだろう。
電話なりメールなりをしてから職員室に向かうべきだったと考えても今更だが、そんなに時間は掛からないだろうと連絡を取らなかったことが悔やまれる。
そして携帯電話を鞄の中に入れたままだったことを思い出し、更に後悔した。
連絡が来たとしても今の状況では電話を取ることもメールを見ることも出来ないが、せめてポケットに入れておけば何かしらの連絡があったことだけは確認出来たはずだし、この場を立ち去る言い訳になったかもしれなかった。
早く音を合わせたくて、早く声を聞きたくて、早く顔を見たくて、早く君に触れたい。
約束をしたのに遅れて行く俺を、君は待っていてくれるだろうか。
今、どんな曲を弾いているのだろうか。俺のことを考えていてくれるだろうか。俺を、どんな顔で迎えてくれるだろうか。
君を想うことが幸せで、そして少しだけ切ない。今すぐに逢えないことが、こんなにも淋しいことなどとは知らなかった。
ただ一緒に練習をするというだけのいつもの約束に、俺は色々なことに気付かされる。
半分以上が耳を素通りしていく先生の言葉を聞きながら、俺の心は既に、土浦の元へと向かっていた。
2012.6
拍手第14段その2。
Promised Tuesday
今日は必ず君と会える日
月森君は真面目な振りしてけっこう
不真面目じゃないかなぁと思うのですがどうでしょうか?
拍手第14段その2。
Promised Tuesday
今日は必ず君と会える日
月森君は真面目な振りしてけっこう
不真面目じゃないかなぁと思うのですがどうでしょうか?