『音色のお茶会』
「青空の向こうから嵐がやってくる」
何でも巧くいくと思うのは間違っている
とりあえず自分の気持ちを自覚してみたものの、それを素直に伝えることが出来ずに日にちだけが無駄に過ぎていった。
どのタイミングで返事をしたらいいのかわからない。
あの日以来、二人きりになることはなく、アンサンブルの練習中でさえまともな会話は交わしてないに等しい。
俺を見ない。俺に声をかけてこない。
最初に言い出したのはお前だろうと言いたくても、言えるような状況じゃない。
そうこうしているうちにアンサンブルも仕上がり、違う曲のアンサンブル練習が始まってしまった。
このアンサンブルに、月森のヴァイオリンは含まれていない。
だから必然的に会うことは極端に減り、元々、行動パターンが違う俺たちが偶然に会うことなんてほとんどなかった。
会えないから気になって、気になるのに何も出来ない。
同じ練習室にいるときよりも月森のことが気になってピアノに集中できなくなる。
音が変だと志水に言われ、音が安定していないと柚木先輩に言われた。
個人的なことでみんなの足を引っ張るのは申し訳ないし、他人に気付かれてしまうほど演奏に集中出来ていない自分を更に自覚させられて自己嫌悪に陥る。
だから俺は、それを月森の所為にする。
やっぱり月森は嫌なやつだ。
自分の言いたいことだけを言いやがって、その後のことなんかきっと何も考えていやしないんだ。
本当に嫌なやつだ。
青空を覆う雲は、一気に広がっていく
2010.6
拍手第9段その4。
お天気でいえば、晴れた日の夕立とか豪雨とか。
八つ当たり中の第4話です。
拍手第9段その4。
お天気でいえば、晴れた日の夕立とか豪雨とか。
八つ当たり中の第4話です。