『音色のお茶会』
「曇り空から雨が降り始める」
いくら考えたって答えなんか出るものじゃない
突然の告白から一夜が明け、俺は完全に寝不足になっていた。
昨日とは打って変わって憂鬱な気分で一日が始まる。
その原因は考えずとも分かっていることだったが、その解決法は全くと言っていいほど思い付かない。
たぶん、俺が嫌いだと返事をすればきっとそこで終わることなんだろが、嫌いなのかと考えれば、たぶん嫌いじゃない。
じゃあ好きなのかと聞かれれば、その答えもたぶん否だ。
好きじゃない。でもそれは嫌いとも違う。
どう思っているかなんて、考えたこともなかった。
つまりそれは、何とも思っていないってことなのか?
それなら俺は、何でこんなに悩んでいるんだ?
憂鬱な気分が更に憂鬱になる。
考えても答えが出ないのなら、考えるのを止めてしまえばいい。
他のことを考えていればいい。思い出さなければいい。
なのにふと、俺に向けられたあの真剣な瞳を、告げられた言葉を思い出してしまう。
思い出して、ため息が止まらなくなる。
この気持ちはなんだ。なんだっていうんだ。
空は色を濃い灰色に変え、雨を降らし始めている
2010.6
拍手第9段その2。
お天気でいえば、曇りのち雨。
ぐるぐるな第2話です。
拍手第9段その2。
お天気でいえば、曇りのち雨。
ぐるぐるな第2話です。