『音色のお茶会』
「てるてる坊主に願いを」
週間予報では晴れだった日曜日の天気が、金曜日になると傘マークへと変わっていた。天気予報などそんなものだとわかってはいるが、文句を付けたくなってしまうのも仕方ないと思う。
週末には、月森と出掛ける約束をしていた。
といっても別にコンサートを聴きに行くだけだから天気はあまり関係ない。
ないのだが、それでも日曜日は晴れて欲しいと思っていた。
雨は嫌いじゃない。雨の音も嫌いじゃない。
でも、傘が作る微妙な距離が嫌だ。
それは言い合いばかりを繰り返していた頃を思い出してしまう。
嫌なヤツだと思い込んで、自分の気持ちにも気付かないふりをして、わざと自分で距離を作っていた。
離れれば離れるほど自分の気持ちを思い知り、なのに素直になれなくてずっと月森から逃げていた。
自分の気持ちに向き合えるようになってやっと、俺たちの距離は近付き始めている。
そんなときだからこそ、例えそれが物理的なものなのだとしても月森との間に距離は作りたくない。
少しでも近付きたい。無駄にしてしまった時間を、これからは取り戻していきたい。
だから日曜日は晴れて欲しいと、ガラにもなくてるてる坊主を作ってみたりした。
2010.2
拍手第7段その4。
日曜日は、晴れますように…。
天気は雨予報。そして土浦君乙女警報発令。
自分で考えたのだけれど、このタイトルがいけない…。
拍手第7段その4。
日曜日は、晴れますように…。
天気は雨予報。そして土浦君乙女警報発令。
自分で考えたのだけれど、このタイトルがいけない…。