『音色のお茶会』
「息子からの手紙」*藤林号様リクエスト&タイトル*
それはウィーンから届いた一通の手紙「あなた、蓮から手紙が届いていたわ」
美沙はそう言って、息子からの手紙を開く
寒さも日増しに厳しくなっていると思いますがいかがお過ごしでしょうか。
今年はウィーンでも例年より雪が多く、寒い毎日が続いています。
この寒い空気の中で響くヴァイオリンの音色はとても澄んでいて、自分がこのような音色を奏でられるようになったことを少し不思議に思っています。
子供の頃からずっと、あたたかでやわらかな音色を奏でるあなたたちにどうしたら追い着けるのだろうと思っていました。あの頃はどれだけの練習を重ねても、どれだけの技術を磨いても、その音色に近付くことは出来ませんでした。決して自分には弾くことのできない音色なのだろうと、諦めたこともありました。
けれど今、ほんの少しだけ、その音色に近付くことができたように思っています。ヴァイオリンを弾くことを、それを誰かと合わせることを、こんなにも幸せだと思ったのは初めてかもしれません。とても大事なものを手に入れたのだと感じています。
いつかきっと追い越すことを目標に、これからも音楽へと取り組んでいこうと思っています。
最後になりましたが、来月行われるコンサートのチケットを同封しましたので、都合がつきましたら是非聴きに来てください。
俺たちの音色はまだ、あなたたちの音色には到底及びませんが、この演奏会で更にまた近付けるよう頑張っています。
それでは、また連絡します。
同封されたチケットに並ぶ、二人の名前
「蓮が、こんな風に自分の気持ちを書いてきたのは初めてね。誰の影響かしら…」
美沙はその名前を見つめ、そっと微笑んだ
「でも、同じピアニストとしては、ちょっと妬けてしまうわね」
2010.1
拍手第6段その7。
あなたたちにしか奏でられない音色があることを忘れないで。
家族に送る手紙って、なんだか気恥ずかしい感じがしますね。
リク内容は「息子からもらった手紙を読んで、文面には直接的には
書かれていないものの、LRの絆をそれとなく察する月森母」でした。
が、ちょっと直接的に書いてしまったような気もします…。
拍手第6段その7。
あなたたちにしか奏でられない音色があることを忘れないで。
家族に送る手紙って、なんだか気恥ずかしい感じがしますね。
リク内容は「息子からもらった手紙を読んで、文面には直接的には
書かれていないものの、LRの絆をそれとなく察する月森母」でした。
が、ちょっと直接的に書いてしまったような気もします…。