TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「ラストダンスは君と(蓮梁)」*せいわ様リクエスト&タイトル*

「梁太郎、こんなところで何をしているんだ。後夜祭はもう始まっている」
「わっ!…っと、なんだ、蓮か…。ダンスはパスだ。ああいうのは性に合わないんだよ」
「それで屋上まで逃げてきていたのか」
「星が綺麗だったからな。眺めはいいし、音楽も聴こえてくるし、文化祭の最後を飾るには最高の場所だ」
「そうだな。しかし、俺にはひとつ足りないものがあるんだが…」
「贅沢だな、お前。何が足りないって言うんだよ」
「言ったら、叶えてくれるだろうか」
「叶えるって、俺が?」
「俺と、ワルツを踊って欲しいんだ、梁太郎」
「え…。ってこれ、コサージュか? でも俺、踊れないぜ」
「大丈夫だ。俺は踊れるから」
「えっと…、蓮の気持ちだけ貰うっていうのはダメか?」
「俺とは踊りたくないのか」
「いや、だから俺、踊れないし…」
「俺がコサージュを渡したい相手は梁太郎しかいない。だからどうか俺と踊って欲しい」
「…わかった。俺も渡すなら蓮しかいないからな…」
「ありがとう。そうしたらコサージュを付けさせてくれ」
「これ、蓮が選んだのか」
「梁太郎の好きそうな花と色を選んでみたんだが、どうだろか」
「いいな、これ。蓮が俺のために選んでくれたっていうのが、もっと嬉しい、かな…」
「そう言ってもらえると、俺も嬉しい」
「俺は何も用意してなくて、悪かったな…」
「一緒に踊ってくれるだけで十分だ。では、お手を…」
「やっぱ、なんか、ちょっと恥ずかしいな…」
「恥ずかしがらないでくれ。誰も見ていない、二人きりのワルツだ」
「そうだな…」
「来年も、再来年も、またこうやって踊ってくれるだろうか」
「お前がまた、誘ってくれるなら、な…」



2009.11
拍手第4段その9。
どうか俺と踊って欲しい。
これからもずっと。

一応、1年生の設定です。
2年の後夜祭では、エントランスで、みんなの前で!!
リク内容は「蓮梁の2人で後夜祭でのワルツの話」でした。