TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「巡る四季」

 二人が出会った春。
 コンクールがなければ、たぶん今でもお互いを知らなかったと思う。

 仲の悪かった夏。
 今でもたまにぶつかるけれど、考え方も演奏も気に入らなかった。

 気になり始めた秋。
 思いがけない一面に、胸が痛くなるような音色に、惹かれずにはいられなかった。

 自覚した冬。
 この気持ちは気のせいでも錯覚でもなく、ただ一人だけに向けられている。

 そして想いを叶えた春。
 出会って一年という時間は、遠回りだったのか、必要なものだったのか。

 幾度も巡る四季。
 これからも色々あるであろう季節を、できることならこれからも永遠に。



2008.8.29
拍手第2段その4。
春は桜、夏は海、秋は椛、冬は雪。
次の季節にはどんな思い出を残せるだろう。