TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「朝~まどろみ~」

聞き慣れない電子音が鼓膜を揺らす。
何の音だ…?
ぼんやり考えていると何かが肌の上を滑っていく。
軽くたたくような音に続き電子音が止まる。
目覚まし時計か?
そう思って、何か違和感を感じる。
聞き覚えのない電子音、肌が触れている感触。
そして、止めてないのに止まった目覚まし時計。
俺は重たいまぶたをゆっくりと上げた。
ぼんやりとした視界に、伸ばされた手が映った。
「起こしてしまったな」
言葉と同時に、その指が頬を滑っていく。
「あ…」
目の前に、少しすまなそうに微笑んだ月森の顔がある。
あぁ、そうか…。
意識がふわふわと上昇するのと同時に、昨日の記憶がよみがえる。
軽く触れられた指が、妙にくすぐったい。
何時だ、と聞こうと思って今日が休みなことを思い出す。
「眠い…」
身体が訴えてくるその気だるさに、俺はもう一度目を閉じた。
頬にあった手がするりと背に回り、そのまま引き寄せられた。
「土浦…」
耳元で呼ばれた名前を聞きながら、俺はまどろみの中に身を沈めた。



2008.3.5
拍手第1段その4。追加分その1。
そんな日の翌朝な感じで。←どんな日だよ。
副題を付けたのには理由があったのですが…。