『音色のお茶会』
「昼休み」
小春日和な昼休み。その日差しに誘われて。
足を向けた屋上には誰もいなくて。
ベンチに腰を下ろせば睡魔に襲われて。
ウトウトしていたら扉の開く音がした。
独り占めもほんの少しだけだったか…。
少し残念に思いながら振り向くと、笑顔を向けられた。
「月森」
その手にヴァイオリンケースはなかったけれど。
「譜読みか?」
楽譜はしっかり握られていた。
「あぁ…」
その返事に、少し疑問符が感じられたから。
「俺は日向ぼっこ。というより昼寝かな」
そう答えると納得したように微笑んでいた。
「隣に座ってもいいだろうか」
少し照れたように言われるからこっちも恥ずかしくて。
「どうぞ」
と少しずれれば微笑みが返ってくるからさらに恥ずかしい。
「肩を貸そうか?」
まじめな顔してそんなことを言ってくるから。
「じゃ、遠慮なく」
赤くなったであろう顔を隠すために、その肩に頭を乗せた。
俺はガラにもなく、あったかいなぁ、なんて思った。
2007.12.26
拍手第1段その3。
屋上ネタも大好き。
ちょっと甘々~な感じにしてみました。
拍手第1段その3。
屋上ネタも大好き。
ちょっと甘々~な感じにしてみました。