『音色のお茶会』
『parallel mind』 variation ~変奏曲~ 3
会えない年月で抑えてきた想い
会えない年月で気付かされた想い
その気持ちを自覚したのが、もう6年近くも前の話なのだと振り返る。
森の広場でのことを思い出すと、今でも心を鷲掴みにされるような痛みがよみがえる。
そして偽りの時間を過ごした数ヶ月。
触れたぬくもりが温かければ温かいほど、まるで心が冷やされていくような気がしていた。
それから会わなくなって5年。
忘れることも出来ず、打ち切ることも出来ず、余計に募っていく想い。
結局のところ、6年前から何も変わっていない。
この想いは色褪せることはなく、なのにこの想いが相手に伝わることもない。
不意に訪れたこの再会で、何かが変わることになるのだろうか。
それは、この想いに対する何かしらの答えを出さなくてはいけないということなのだろうか。
それともこの再会を、なかったことにしてしまうべきだろうか。
このまま会えない時間へと逆戻りさせれば、答えは先延ばしにされ、きっと永遠に出ないだろう。
答えが出ることを恐れている。その先に待ち受けているのであろうその答えから目を逸らしている。
けれど、再会してしまったという事実は変わらない。
だから何かを願わずにはいられない。何かを望まずにはいられない。
何よりももう一度、逢いたいという想いが止められない。