TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「しずやしず(蓮梁)」*せいわ様リクエスト&タイトル*

「蓮、見てみろよ。舞殿で結婚式挙げてる」
「あぁ、今は舞の奉納だろうか。和楽器の音色もいいものだな」
「あんまり馴染みはないけど、厳かっていうか、落ち着くっていうか…」
「不思議とどこか懐かしいような、そんな気もするな」
「そうそう。でもやっぱり特別な感じがして、だからこそこんな日に相応しいのかもしれないな」
「特別か…。この場所もまた、特別と言えば特別だな」
「場所?…あぁ、静御前が舞った場所ってことか?」
「逃げる途中で愛しい人と別れ、捕えられ、そんな状態で舞えと命じられた」
「でも、敵の前で別れて悲しいって想いのまま舞うってすごいよな」
「ただ本当に、好きだったからだろう」
「え?」
「愛しくて、悲しくて、やっぱり愛しくて。ただそれを伝えたかったから舞ったんだと、俺はそう思う」
「そういう考え方もあるか」
「実際のところはわからないが、もし俺ならそうすると思う」
「確かにそうだな。ピアノを弾いているときはいつも蓮を想って弾いているし…」
「俺も同じだ。誰と一緒に弾いても、誰の前で弾いても、いつでも梁太郎を想ってヴァイオリンを弾いている」
「蓮…」
「梁太郎…」

「ねえ。あの二人、俺たちが一緒にいるってこと忘れてない?」
「まぁ、仕方ないんじゃない、あの二人だもの」
「学院でも毎日こんな調子?」
「僕は普通科だから授業中のことはわからないけれど、休み時間と放課後はこんな感じのときが多いかな」
「やっぱりそうなんだ」
「仲良しでいいよね、月森と土浦って」
「えー、葵さん、そんな感想なの。いい加減にしろ、とか思わないの?」
「どうして?仲良きことは美しきかな、って言うでしょう」
「あー…。じゃあもういっそのこと、お幸せに、ってことでいいんじゃない?」
「はは。確かにそうだね。衛藤君、いいこと言うね」
「っていうかさ、本物の結婚式よりもあの二人に中てられてるってどういうことだよ」
「今日は幸せのお裾分けがいっぱいでいい日、ってことでいいんじゃない?」



2014.10
拍手第21弾その8。
はいはい、そうですね(棒読み)

リクエスト内容は「蓮&梁シリーズ 鎌倉デート編
鶴岡八幡宮で結婚式をみた二人の話
おまけで何故か一緒にいた加地と衛藤」でした。
衛藤君を書くのが思いのほか楽しかったです!
そして蓮梁の二人は相変わらずです(笑)

というわけで、あさきゆめみし、でした。
難産が多くて全体的に大変でしたが、
あれこれ悩むのもまた楽しかったです^^