TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「真っ赤な顔」

 犬猿の仲だった土浦とも、一緒に演奏する機会を重ねる毎に、言い合いだけではなく普通の会話が出来るようになった。
 そうしてお互いを知っていく内に、今までに感じたことのない感情を土浦に抱くようになった。
「俺は土浦が好きだ」
 悩んで、否定して、それでもこの気持ちをなかったことにはもう出来なくて、叶う望みなどないことはわかっていてもこの気持ちを伝えたくて、少しずつ築いてきた二人の関係をその一言で台無しにしてしまう覚悟で告白をした。
 瞬間、見せられたのは驚いた顔で、その表情のまま土浦は固まってしまう。
 その顔が嫌悪感に歪むことも覚悟していた俺は、とりあえず即、否定されなかったことに少しだけ安堵した。
 だがいつその表情に変わるかわからず、その変化を逃さないよう、黙って土浦の顔を見つけ続けた。
 意志の強そうな瞳、すっと通った鼻梁、薄く開いた赤い口元、少し陽に焼けて健康的な肌の色…。
 その外見で好きになったわけではないが、土浦を象るその全てに惹かれているのだと改めて思う。
「なっ…!」
 沈黙と驚き顔がどのくらい続いた後だったのか、土浦は一言だけ声を上げると、その顔を一気に赤へと染め上げた。
 その色に、俺の中の何かがはじけて溢れていっぱいになった。
 ぎゅっと、力いっぱい腕の中に抱き込む。
「つ、月森っ」
 今度は即座に返ってきた土浦の反応を、逃したくなくて腕に力を込める。
 好きだ。俺は土浦が好きだ。どうしようもなく、本当に大好きだ。
「好きだ」
 心からの気持ちが、自然と溢れて言葉になる。
「土浦が好きだ」
 抱き締めた腕の中から、早鐘のような土浦の鼓動が伝わってくる。
 まだその腕を放したくなかったが、それよりもきっと更に赤くなっているのであろう土浦の顔を見たくて腕を解く。
「返事を聞かせてくれ」
 やはり真っ赤に染まっていた土浦の顔を見つめながら、俺はそっとささやいた。



2013.11
拍手第19弾その7。
告白の返事待ち中の月森

月森君に告白させると、とても潔い性格になります。
土浦君の返事は素直じゃないのかな、態度で示しちゃうのかな、
それともちゃんと男らしく返事するのかな、
なんて妄想してしまいますが、
真相(?)は想像して楽しんでくださいね^^

というわけで、うゐのおくやま、でした。
くっつく前の話の方が多いことに、改めて気付きました。
なのでほんのり甘い感じのお話たちになったと思います。