TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「登校イベント発生?」*せいわ様リクエスト&タイトル*

 いつものようにいつもの通学路を歩いていると、見たことのある後ろ姿が目に入る。
 信号待ちで止まったところで追い付き、おはようって声を掛けると、振り返った土浦君は笑顔でおはようって返してくれた。
 そのまま一緒に歩きながら話をしていたけれど、サッカー部の後輩やクラスメイトに声を掛けられて話は先に進まない。
 別にものすごく大事な話をしているわけではないから構わないし、相談事であろう会話の内容が聞こえる度に、頼りにされているんだなって感心してしまう。
 また後でなっていう台詞で会話を切り上げている様子からすると休み時間や放課後も忙しそうな気がするから、アンサンブルの練習は早めに予定を決めておいたほうがいいかもしれないと思って口を開きかけた瞬間、聞き覚えのある声が背後から掛かり、自分が呼ばれたわけではないのに思わず振り返ってしまった。
 そこには予想通りの月森君がいて、走ってきたのか少し息が上がっている。
 何でわざわざ走ってきたのかなって思ってすぐにその理由に思い当たり、不自然にならないように土浦君の隣から一歩、横にずれれば、自然に月森君がその場所に入ってくる。
 用事を思い出したなんていう、いかにもでもっともらしい嘘を二人に告げ、それを本当に見せるために走って学院に向かう。
 だって、馬には蹴られたくないしね。
 角を曲がる前にそっと後ろを振り返ればどう見ても仲がよさそうには見えない二人の姿があって、だから誰も近寄れない雰囲気に見えるけれどあれは偶然なのかわざとなのか…。
 アンサンブルの練習計画を立て直さないといけないなぁと考えながら、次の演奏会では選曲から考えないと大変かも…と思った、そんなある朝の出来事。



2012.11
拍手第15段その7。

香穂子って空気の読めるよく出来た子だなぁと思います(笑)
香穂子視点で書いてしまったので、その後の二人が気になりますね!
リクエスト内容は「LRで登校イベント。
主人公そっちのけで土浦アイドル状態で月森落ち」でした。

というわけで、いろはにほへと、でした。
リクエスト企画に加え、二択アンケートという初の試み第1段でした。
いつもの拍手話より長めなのは、独白がないからでしょうか…。
そして全体的に甘めなお話になりました♪