TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

「アンケートにご協力を」

「なんだ、またろくでもない質問か。ネタにされるとわかっていることに、俺は答えないぜ」
 そんな声が聞こえて俺は思わず声のするほうへと振り返ると、土浦と天羽さんの姿が目に入った。
 何かを聞きに来たのであろう天羽さんがその答えを求めて詰め寄っているが、土浦がそれに答える気がないらしく押し問答を繰り返している。
 そういえばついさっき俺のところにも聞きに来た。先生に呼ばれているという理由で俺は免れたが、その余波が土浦に行ったらしい。
 土浦は何か答えるだろうかとなんとなくその会話を聞きながら、俺は何故、盗み聞きのようなことをしているのだろうと思ってハッとした。
 人の趣味や好きなものなど聞いてどうするのだろうと思っていたはずなのに、俺は土浦の答えを聞きたいと思ってしまったようだ。
「だってほら、興味のあることは知りたいって思うでしょ。私はそう思った人たちの代表で聞きに来ているんだよ。今ここで答えておけば、同じ質問を何回もされることはないんだからさ」
 それが何故かと考えたときに聞こえてきた天羽さんの言葉で、俺は自分でも気付いていなかった自分の気持ちを知った。
 どうやら俺は、土浦に興味を持っているらしい。
 土浦のことは正直よくわからない。いつでも俺の意見とは全く正反対のことを言い返してくる。それを不思議だと思う反面、自分では思い付きもしなかった意見が返ってくることを楽しみにしている。
 俺はもっと、土浦のことを知りたいと思う。
 好きなことも嫌いなことも、どんな些細なことでもいいから、土浦のすべてを知りたい。
 だからもし俺がそれを聞いたとしたら、俺が知りたいのだと言ったなら、土浦は俺に答えてくれるだろうか。



2009.11 拍手第4段その1。
君に聞きたいことが、たくさんあるんだ。
それを教えてはもらえないだろうか。

つっきー無自覚に自覚話。
たぶんまだ、よくわかってないと思う。