TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

『parallel mind』 variation ~変奏曲~ 9

想いはずっとすれ違っていたけれど



「ずいぶん、遠回りしたんだな、俺たち」
 本当はそこに、想い合う心があったというのに。
「きっと俺たちにはこれが、最短距離だったんだ」
 でもそこに想い合う心があったからこそ、今の幸せに辿り着くことが出来たのかもしれない。



 見つめてキスをして、また見つめる。
 もっと触れていたいのに、視界にその姿を映していないとなぜか不安になる。
 目をつぶったら目の前から消えてしまいそうで、触れたぬくもりが本当に目の前に存在しているのだと、目に焼き付けておかずにはいられない。
 こんな風に見つめ合うのは初めてだった。いつだって心を押し隠していたから、こんなに真っ直ぐで素直な気持ちのままお互いを見たことなんてなかった。
 軽く触れていた手が何かを探るように肌の上を滑っていき、まるで何かを繋ぎ止めるかのように握り合う。
 心を通わせる前に、重ねてしまった身体。いつまでも満たされない心の代わりに、身体だけが快楽へと溺れていた。
 抱きしめたくても抱きしめられなかった。縋りたくても縋れなかった。
 諦めようと思っても諦められなかった。止めようと思っても止められなかった。
 これからは抱きしめることも縋ることも出来る。諦めることも止めることもする必要はない。
 初めてではないのに、初めてのとき以上に胸が高鳴る。
「好きだ…」
 見つめてキスをして、もう一度キスをする。
 心が、満たされていく。



『parallel mind』 variation ~奏曲~
2008.11.22
コルダ話32作目はparallel mind完結編です。
今度こそ最終小節で、ハッピーエンド。
たぶんもう続かないです。
引っ張って引っ張って、ラストはこんな感じです^^;