『音色のお茶会』 音楽用語のお題
soundscape
練習室の窓を通り抜け俺の元へと届いたその音色に、俺は草原を駆け抜ける風を思い出した。目をつぶると、青々とした草の緑が目の前に広がった。
音色によって作られた草原は、どこまでも果てしなく続いている。
俺は広い広い草原の真ん中で、流れてくるピアノの音色を聴いていた。
軽やかなピアノの旋律が、草花が風に揺れる音になる。
優しく降り注ぐ木漏れ日の中を飛び回る小鳥の羽音になり、流れる川のせせらぎにもなった。
全ての音を取りこぼさないようにと耳を澄ませば、その耳元を風が通り過ぎていく。
音色をはらんだ風に優しく包まれ、誘われるまま草原を進む。
咲き乱れる色鮮やかな花々は、俺の気持ちを優しくも楽しくもさせた。
遠くにそびえ立つ白い山々は、俺の気持ちを悲しくも切なくもさせた。
めまぐるしく変わる景色の中を、俺は風に導かれてゆっくりと歩く。
そして辿り着いたその先に、弾き終えて満足そうな君が笑っていた。
君の指から音の風景が生まれる
2009.7.13
ちょっといつもとイメージが違う感じで。
土浦君のピアノを風景に例えたらこんな感じでしょうか。
ちょっといつもとイメージが違う感じで。
土浦君のピアノを風景に例えたらこんな感じでしょうか。