『音色のお茶会』 音楽用語のお題
dolce
いつだって揺るぎない意志の強さをたたえた瞳で見られていたのに。目が合った瞬間に、その瞳がそっと細められて笑みの形を作る。
それは今まで見せられたことのない優しささえ感じさせるもので。
見つめられて、俺の心が射抜かれる。
その笑みのまま俺の名を呼ぶ声も、掠めるように触れた指先も。
俺の心を捕らえて放そうとしない。
何も言うことが出来ないままその瞳を見つめ返していれば。
ほんのりと赤く染まった顔がゆっくりと逸らされる。
そうやって惜しげもなく見たことのない表情を俺に向けてくれるのは。
俺が君に対して抱いていたこの気持ちを告げたからなのだと、今更になって気付く。
ずっと俺の想いは一方通行だと思っていたのに。
同じ想いを君から返してもらったことを本当に嬉しく思う。
けれどまだ実感が湧かなくて、こんな風に見せられる君の表情に慣れなくて。
まるで甘やかな夢の中にいるように思えてしまう。
続く沈黙さえも愛おしくて、けれど君はいたたまれないようにそっと顔を伏せるから。
俺は君を引き寄せて、その柔らかい唇に口付けを落とした。
触れるだけの口付けは甘く柔らかに…
2009.5.14
やけに土浦君が乙女なのは、月森君がそう見ているからです。
なんて言い訳をしたくなるくらい乙女に書いてしまったので、NLでもいけそうな感じです…。
また名前が出ていないですしね…。
やけに土浦君が乙女なのは、月森君がそう見ているからです。
なんて言い訳をしたくなるくらい乙女に書いてしまったので、NLでもいけそうな感じです…。
また名前が出ていないですしね…。