『音色のお茶会』 音楽用語のお題
whisper
耳元に寄せられた唇から聞こえた声は普段よりも少し低くて。たったそれだけのことに、俺の身体は何かを期待するように震えた。
それがわかっているからか、それともそんな反応に気を良くしたのか。
もう一度ささやかれた言葉と共に小さく笑うような吐息が耳元を掠める。
「土浦…」
何度も何度も呼ばれ、聞き慣れているはずの自分の名前さえも。
その声でささやかれるだけで、まるで特別なものになったかのように俺の心を満たす。
その声をもっと聞きたくて、もっともっと満たして欲しくて。
俺は月森の名を、そっとささやいた。
お前のささやき声に、俺はいつだって煽られてしまうんだ…
2009.5.12
甘いわけでもなく、微裏になるわけでもなく…。
でもパッとイメージが思い浮かんだ最初のお話です。
甘いわけでもなく、微裏になるわけでもなく…。
でもパッとイメージが思い浮かんだ最初のお話です。