TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』  もどかしい恋のお題

あともう一言

 見つめ合って。名前を呼び合って。また見つめ合って。
 でも次の言葉が言えない。
 たった2文字。あるいは4文字。または5文字。
 それなのに、やっぱり口に出せない。
 「その…君は…」
 俺のこと…と聞くのは卑怯だろうか。
 「え、俺は…」
 お前のこと…なんて言えるかよ。
 「それより、お前は…」
 俺のこと…なんてそれも聞けない。
 「あぁ…俺は…」
 君のこと…なんで言えないんだろうか。
 「土浦…」
 「月森…」
 お互いの名前は呼べるのに。
 あともう一言が、なかなか言えない。
2007.12.28
じれったい二人。
もどかしい二人。
お題に忠実になってみました。


今はこれが限界

 見つめ合って。名前を呼び合って。
 「好き」って気持ちを伝え合って。
 ここまで来るのにどれくらい掛かっただろうか。
 次に進むにはまたどれくらい掛かるのだろうか。
 学校だし、人目があるし、周りは犬猿の仲だと思っている。
 恥ずかしいし、照れくさいし、二人っきりは妙に緊張する。
 でも一緒にいたいし、一緒にいれば触れたいと思う。
 触れれば離せなくなって、今度は離れたくなくなる。
 そんな自分はまだ知らない。
 そんな自分になるだろうか。
 でもまだ今は。
 「土浦…」
 見つめ合って。
 「月森…」
 名前を呼び合って。
 「好きだよ」
 気持ちを伝え合って。
 「俺も…好きだ」
 そっと、触れるだけのキス。
 これが限界。
2007.12.28
じれったくてもどかしい二人の続き。
ほんのちょっぴり先に進んだようです。
ゆっくりあせらずはぐくんでます。


呼び名

 見つめ合って。名前を呼び合って。
 好きって気持ちを伝え合って。何度もキスをして。
 「土浦…、梁太郎…」
 名前を、呼びたくて。
 「何でフルネーム?」
 呼ばれた意図が読めなくて。
 「梁太郎…。梁…」
 だから名前だけで呼んでみれば。
 「えっ…あ、なんだよ、急に」
 なんだかくすぐったい気がして。
 「だめだろうか?」
 呼べたら嬉しいと思うけれど。
 「いや、ダメってことはないけど…」
 やっぱり照れくさい気がして。
 「梁太郎、梁、どちらがいいだろうか」
 呼ばれたい名前を教えて欲しくて。
 「好きな方で呼べよ……蓮…」
 どっちで呼ばれても嬉しいから。
 「梁太郎」
 「蓮」
 心があたたかくなる。
 それは、好きな人の名前だから。
2007.12.29
じれったくてもどかしい二人の更に続き。
呼び名変更イベント(笑)
少しずつ、進んでますね。


余裕なんて無い

 見つめ合って。大切な名前を呼び合って。
 好きって気持ちを伝え合って。何度もキスをして。
 でもそれだけじゃ足りなくて。段々と深くなる口付け。
 もっと触れたくて。ぬくもりを感じたくて。
 「ぅん…はぁ…」
 抑えきれないような甘やかな声が耳に届いて。
 息苦しさに耐えかねて息を吸う、その一瞬すら本当は離れがたくて。
 「んっ」
 奪うように引き寄せて、腕を回して、抱きしめて。
 見つめられるその瞳には、今まで見たことのない感情が浮かんでいて。
 「あっ、つぅ」
 触れたくて、何もかも見たくて。
 首筋に触れた唇が、すごく熱く思えて。
 「ちょ、まっ…」
 声も瞳もその身体も震えているのはわかっているはずなのに。
 そんな雰囲気だったけど、心の準備が出来なくて。
 「梁太郎…」
 それでもこの衝動を止められなくて。
 見つめられるその目が、ものすごく切なくて。
 「蓮…」
 だから今ここで離すことは出来そうになくて。
 だから今ここで離れたらもっと後悔しそうで。
 「愛している…」
 今、余裕なんて、ない。
2007.12.29
じれったくてもどかしかったはずの二人。
とうとうここまで…きてしまいました!
これからはラブラブで甘々な二人なのかな^^


目が覚めて思うこと

 見つめ合って。大切な名前を呼び合って。
 好きって気持ちを伝え合って。何度も何度もキスをして。
 触れ合って。求め合って。与え合って。
 ぬくもりを感じながら眠りについて。
 目が覚めて、いつもと違うことに気が付いて。
 規則正しい寝息と、傍にあるぬくもり。
 目を開けなくても、隣に誰がいるのかわかっているけれど。
 その顔を見たくて、そっと目を開ければ。
 穏やかな寝顔が、本当に目の前にあって。
 昨日の夜を思い出して、少し恥ずかしくなって。
 それでもなんだか嬉しくて、すごく幸せで。
 そっと指を絡めて、そっと唇を掠めて。
 もう一度、目を閉じた。
2007.12.30
ラブラブ甘々な感じで。
お泊りしちゃったんですね。
どちら目線で読んでいただいても。


じれったくてもどかしい二人の成長記録みたいな感じで。
本当は2つ目で終わる予定だったのですよ。
別の話を2つ書いて、残りのお題を眺めていたら思いつきました。
なので予告は思いっきり覆されてしまいました…。


もどかしい恋のお題