『音色のお茶会』 もしもシリーズ~蓮梁編~
居場所
ある日の廊下で…「あ、月森くーん。土浦君を探してるんだけど、どこに居るかな?」
「梁太郎なら、さっき先生に呼ばれて音楽室に行っている」
「音楽室ね。ありがとう、行ってみるよ」
またある日のエントランスで…
「あ、土浦くーん。月森君を探してるんだけど、どこに居るかな?」
「蓮なら教室にいると思うけど」
「教室かぁ。これ、コンクールのプリントなんだけど、渡してもらってもいい?」
そしてまたある日の教室で…
「最近、よく梁太郎の居場所を聞かれるような気がするんだ」
「俺も蓮の居場所を聞かれることは多いな。ついでに伝言を頼まれたり」
「あぁ、それも多いな。でも、聞かれて答えられなかったことはないんだ」
「そういえば、俺も答えられなかったことはなかったかもしれない」
「だから俺は梁太郎のことを探したことがあまりないような気がするんだ」
「まぁ、探さなくても教室にいれば会えるわけだし。でも確かに、俺も探したことないな」
どこに行ったか知っているし、どこに行けば会えるのかも知っている
2010.11.1
香穂子と蓮の会話、香穂子と梁太郎の会話、
そして蓮と梁太郎の会話のみで。
知っていることが当たり前だと思っているし思われている。
ちょっと疑問に思ったみたいだけど、あまり深く考えていないらしい。
香穂子と蓮の会話、香穂子と梁太郎の会話、
そして蓮と梁太郎の会話のみで。
知っていることが当たり前だと思っているし思われている。
ちょっと疑問に思ったみたいだけど、あまり深く考えていないらしい。