『音色のお茶会』 もしもシリーズ~蓮梁編~
弾かせてしまった音色
俺の前に突然、現れた普通科の制服を着た梁太郎は、俺の知る梁太郎とは違い、けれどやっぱり梁太郎なのだと俺に思わせた。その演奏を聴いたときに、ほんの少し懐かしさのようなものを感じたのは、それはまだ出会ったばかりの頃の梁太郎の演奏に似ていたからだと、後になって気付いた。
ただ純粋に聴きたいとそう思ったから弾いて欲しいと言ってしまったが、俺はなんて軽率だったのだろうか。
比べるつもりなどなかったが、聴きたいと、そう思うこと自体がすでに比べることになっていたようにも思うし、懐かしいと、そう感じた時点で俺はすでに比べていたのではないだろうか。
何の得もない、比べないで欲しいと、そう言った気持ちが、今になってやっと俺にもわかったような気がする。
別の自分を知っている人に、知らない自分の演奏を聴かせることはとても怖い。
それでも君が弾いてくれたことを、俺は本当に嬉しく思っている。
だからもう、比べることはしない
2009.6.30
蓮の一人称で。
月土編つながりの話は色々と思い付くのですよ。
蓮の性格が出来上がってきたら、こんな風に考えていたことが判明。
月土編の逆視点とかも面白そうですよね~(書かないけど)
蓮の一人称で。
月土編つながりの話は色々と思い付くのですよ。
蓮の性格が出来上がってきたら、こんな風に考えていたことが判明。
月土編の逆視点とかも面白そうですよね~(書かないけど)