TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』  もしもシリーズ~蓮梁編~

呼び方

「月森君って土浦君のことを名前で呼んでいるよね」
「あぁ。そうだな」
「でも、他の人には普段、苗字に君かさん付けだよね」
「最初に土浦君と呼んだら思いっきり嫌がられた」
「それはわかるような気がするかも…」
「壁があると言われたが、そうかもしれないな」
「私のことも最初はさん付けだったね」
「梁太郎に釣られたのかもしれない。戻したほうがいいだろうか」
「ううん、呼び捨てでいいよ。そういえば名前を呼ぶようになったのってどっちからなの?」
「俺からだ。梁太郎と呼んだときは照れていたが、嫌がっている感じではなかった」
「あー、やっぱりそうなんだ」
「やっぱり?」
「えっと、なんとなくそうかなぁって。土浦君が名前で呼ぶようになったのは?」
「俺が梁太郎と呼ぶようになってからすぐにだったが…」
「え、そうなの?」
「今度は驚くんだな」
「んー、なんだか素直じゃないイメージなんだもん、土浦君って」
「あぁでも、素直に呼んでくれたわけでもなかったのかもな」
「え?」
「そんなことより練習はいいのか?もうすぐ下校時間になる」
「そうだった!ごめんね、練習の邪魔して」
「いや」
(この話はたぶん、聞いても教えてくれないんだろうなぁ…)



呼んでくれた状況が状況だったからな…
2008.12.24
蓮と香穂子の会話。
蓮は月森君ほど冷たくない性格なのでこんな会話も成り立ちます。
でも肝心なことはさすがに教えてくれないようです。