『音色のお茶会』 もしもシリーズ~蓮梁編~
弾き方
「月森君の弾き方って、うーん、なんて言うんだろう。…そうだ!気持ちよさそうな感じだよね」「あの仏頂面で弾いてるのに気持ちよさそうって言うのか?」
「でも、すごく優しくてやわらかい音色だから。気持ちよさそうって表現が一番合うかなぁって」
「確かに、弾いているときは気持ちいいな。思い通りの音色が奏でられたら特にな」
「私もそんな風に弾いてみたいなぁ…」
「日野は楽しそうで嬉しそうに弾くよな。俺はお前の音も優しいと思うぜ」
「私なんかまだまだだよ。土浦君の弾き方は愛しそうな感じだよね。暖かかくってなんだかホッとしちゃう」
「その割には切ない曲を好んで弾いているように思うが…」
「胸が痛くなるくらいの切なさって、愛しいからこそなんだって、そう思わせてくれるの」
「まぁ、切なくても明るくてもどんな曲でも、奏でる音色は愛しいかな」
「ホント、二人の音色ってうらやましいなぁ」
「日野には日野の音色がある。それは日野にしか奏でられないものだ」
「私だけの音色…。そうか、そうだよね。でも二人は弾いているときにどんなことを考えてるの?」
「「それは…」」
「…うん、わかった。だからなんだね…。ごめん、聞いた私が馬鹿だったよ」
「いや、俺たちまだ何も言ってないし…」
「そうだ、一人で納得したように言われても…」
「言われなくても異口同音で見つめ合われたら誰でも納得するって…」
弾いているときはいつも、好きな人の音色を思っている
2008.12.12
蓮梁+香穂子の会話のみで。
どれが誰の台詞かわかるでしょうか…。
香穂子は二人の惚気話の聞き役です、きっと。
蓮梁+香穂子の会話のみで。
どれが誰の台詞かわかるでしょうか…。
香穂子は二人の惚気話の聞き役です、きっと。