TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』  もしもシリーズ~蓮梁編~

アスコットタイ

「梁太郎がタイをしているのは久しぶりに見た気がする」
「伴奏者とはいえ、さすがにコンクールの舞台ではずしてるわけにはいかないだろう…」
「確かにそうだが…。なんだか1年生の頃を思い出す」
「似合わないと思いっ切り言ってくれたよな。自覚はあったが人に言われるとムカつくぜ」
「でも、写真で見た君のコンクール衣装はアスコットタイだったと思ったが?あれはよく似合っていた」
「色が全然、違うだろ。制服は白いジャケットに赤いタイだからな。せめて違う色か普通科みたいに普通のネクタイだったらよかったんだけどな」
「・・・・・・」
「なんだよ、じっと見て」
「いや、ネクタイ姿も似合いそうだと思って。それに…」
「それに?」
「いつもは見えているシャツが隠されているというのも、逆にそそられる」
「なっ…!なに言ってんだよ、馬鹿」
「実は少し緊張していたんだが君のおかげで落ち着いてきた、ありがとう」
「…。嘘付け、緊張なんてしてないくせに…」
「そんなことはない。ほら」
(ぎゃっ!!…って、うわ、蓮の心臓の音が聞こえてきそうだ…)
「な?」
「蓮でも緊張するんだな…」
「でもとはひどいな」
「なんか、俺も緊張してきたかも…」
(梁太郎…頼むからそんな表情しないでくれ、違う意味でドキドキしてくる…)
「蓮の所為だぞ…」
「それなら、緊張をほぐすおまじないだ…」
「…っ」
(演奏どこじゃなくなりそうだな…)



緊張のドキドキなのか好きのドキドキなのか
2008.11.27
会話のみで。
第一セレクション前の控え室にて。
甘々なんだか、バカップルなんだか。
梁太郎はコンクール出場者ではなく蓮の伴奏者設定です。