TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

この恋が永遠ならば4(R18)

 開いた両足の膝裏に手を入れそっと抱え上げると、その格好が恥ずかしいのか土浦は軽く目を逸らした。
「力を…」
 抜いていてくれと言うのは簡単だが、きっと出来ない相談だろうと思って胸の中でつぶやく。
 探るように確かめながらその入り口へと俺自身をあてがえば、一瞬、土浦の身体に力が入ったのがわかった。
 気を紛らわせるように頬へと手を伸ばせば、どこか不安そうな目がそれを隠すようにそっと閉じられた。
 俺はゆっくりと、けれど体重を掛けながら土浦の中へと押し進む。
 さっきまで指を受け入れていたそこは微かな収縮を繰り返しているが、指とは違ってすんなりと受け入れてはもらえない。
「…っ、…」
 声にすることすらできないような苦痛の表情を浮かべる土浦が目に入り、俺はそこで動きを止めた。中途半端な状態は辛くもあったが、土浦が感じているのであろう辛さに比べたらきっとたいしたことはないのだと思う。
「土浦…」
 ぎゅっと閉じられた瞼を、ぎゅっと噛みしめられた唇を、そっと指で触れる。胸へと唇を寄せ、痛みに萎えてしまった土浦自身を手のひらにそっと包み込む。
「うぅ、んっ、っ…んあ、ぅん…」
 上がる声は苦痛とも快楽ともとれ、俺はこのまま土浦に触れていていいのだろうかと不安になる。
 やっぱり触れてはいけなかったのではないだろうか。欲しいなどと、思ってはいけなかったのではないだろうか。
 これ以上の苦痛は与えたくなくて身を引こうとすれば、まるで引き留めるかのように中が蠢いたような気がした。
「っう…」
 それは今までに感じたことがない心地よさで、俺の意志とは反対に腰が前へと進んでしまう。そんな俺を阻むことなく、土浦は俺のすべてを受け入れてくれた。
 強く、けれど柔らかく包み込まれるその感覚は本当に気持ちがいい。
「はぁ…」
 ため息のように漏れた土浦の声は扇情的で、俺は土浦を気遣う余裕もなく腰を動かした。
 その度に上がる声が、聞こえる水音が、俺をもっともっとと駆り立てる。
「んーーーっ、あっ、あっ、んあぁ、あんっ…」
 指が見つけたポイントを探り当てれば、ひっきりなしに声が上がり、縋るものを求めるように宙を掻いた手が俺の腕を掠めていく。その手をとれば、強い力で指が絡んできた。
 触れる指先が熱い。包み込まれる土浦の中が、火傷しそうなほど熱い。
「っ、月…」
 俺を呼ぶ土浦の声に、俺の指も絡ませながら顔を上げれば、快楽に浮かされたその表情にまた煽られる。
「あっ、や、月、も、りぃ…」
 嬌声の合間に、呼ばれる名前が心地いい。
「土浦…」
 触れるだけのキスをして呼び返せば、ゆっくりと瞼が開いて一筋の涙がこぼれ落ちた。その涙で揺れる土浦の瞳は真っ直ぐに俺を見つめている。
「も、う…」
 その瞳がまた瞼の下へと隠され、震えるような声が限界を訴えてくる。
 目の前で、本当に目の前でそんな表情を見せられて、俺も一気に限界へと上り詰めた。鼓動は必要以上に激しくなり、心臓が壊れてしまうのではないかとさえ思う。
 俺は微かに残っていた理性をかなぐり捨てるように土浦を抱き締めた。
「土浦、土浦っ…」
「あぁ、んっ、あ…やっ、月、森…、あっ、んっ…、あぁ……!」
 一際高い嬌声が上がった瞬間、ぎゅっと締め付けられ、俺は土浦の中へとそのすべてを注ぎ込んだ。